【あしたのジョー全出来事233】見る影もないカーロスのジャブ
「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返っています。
アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。
エピソード
「オオ…ジョー矢吹…」
カーロスは、ジョーの名を覚えています。
ゆらりと立ち上がると、ここでもう一度試合しようと言って、右の拳をジョーの方へ突き出しました。
素手でジャブを出すカーロスに一同、息を呑みますが、そのジャブは、ジョーの手のひらにピシャっと当たるだけです。
あまりの変わりように愕然とするジョーにカーロスは、ストレート、フック、アッパーと続けます。
そこにいるのがジョーだと分かっていて、再会を喜んではいるものの、ジョーの心情を読み取ることは出来ない状態のようです。
ジョーはこらえきれず、カーロスを抱きしめて泣いていますが、その意味を理解できないカーロスは、虚空へのパンチを続けています。
該当箇所
コミック:19巻P123~126
アニメ2:第39話「ジャングルに…野獣が二匹」
コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。
原作とアニメの相違点
ジョーの表情が違う
原作のジョーは、リングでカーロスを見つけてその姿に驚き、控室で戸惑いながらカーロスと対面、カーロスのジャブを見て震え出し、ついに落涙します。
アニメでは、はじめにカーロスと気付いたときには、まだ笑顔です。
見るからに異様な身なりに驚いていないはずはありませんが、また会えてうれしい、会いに来てくれてうれしいという顔つきでいます。
アニメのジョーは、ウスマン・ソムキット戦の前にカーロスの近況を雑誌で読んでいます。
「ホセ戦をやったロスで入院しているが、自分の名前も分からず、廃人同様である」と伝える記事を見て、現地へ飛ぼうとしますが、葉子から、「人を遣って調べたけれども、カーロスは病院からエスケープして今は行方不明だ」と聞いて渡米を断念したのでした。
(アニメ2 第15話「誰のために…必殺ラッシュ」)
ある程度カーロスの現状についての予備知識があったので、ショックを笑顔に隠す余裕があったのかなと思います。
それでも、ジャブを見せられてとうとう顔色が変わり、溢れる涙を止められなくなる…というジョーの表情の変化が、アニメにはあります。
KCコミックあしたのジョー(13)P168 (c)高森朝雄・ちばてつや2012