練馬アニメカーニバルは、2006年から毎年秋に開催されているイベントです。

「です」とか言っていますが、練馬アニメカーニバルの詳細は私には分かりません。公式見てください。

カーニバル内で、ちばてつや氏手塚治虫文化賞特別賞を受賞されたのを記念したトークイベントが催されました。

トークイベントは、ちばてつや氏を中心に、みなもと太郎氏、SUEZEN氏の三者で進行。

最後には、おなじみのあの疑問に対するコメントもありました。

ちばてつや手塚治虫賞受賞記念トークイベント入場整理券




満場一致の第22回手塚治虫文化賞特別賞ちばてつや

第22回?

これまでの受賞者はこちらに→Wipidediaの「手塚治虫文化賞

過去の受賞者の顔ぶれを見ると、確かに私でも知っているお名前がいくつかあり、特別賞に選ばれた方の名前なら半分くらいは分かります。

でも、ちばてつや氏にこれまで賞を授与していないのは、審査員にとっても驚くべきことだったそうで、審査員のひとりであるみなもと太郎氏は、「審査や選考は不要だった。満場一致でちばてつや先生に決まった」と話していました。

これまでタイミングが合わなくて選出できなかったみたいです。

練馬アニメカーニバル2018ちばてつやトークイベント

手塚治虫氏とちばてつや氏

練馬がアニメの聖地と呼ばれる要因のひとつが、手塚治虫氏の虫プロダクションが練馬区にあったことですが、ちば氏の自宅から歩いていける距離だったようです。

20代の頃、野球チームのユニフォームができたので、うれしくて虫プロに見せに行ったら、あちらは〆切前の修羅場で、詰めいていた編集者に怒られた話をされていました。

当時は「漫画家のちばてつやです」と名乗っても誰だか分かってもらえなかったのですね。

ところでちば氏は子供時代、お母さんに漫画を禁止されていて、手塚作品ですら読めなかったそうです。
(漫画を悪いものと考えていたのではなく、あまりに面白いので勉強の妨げになるという考えから)

お母さまか…

林屋食料品店の親父さんと女将さん(紀子両親)って、ちば氏のご両親がモデルなんですよね。「50周年あしたのジョー展」の展示物にそうコメントされていました。

なので手塚作品の影響をあまり受けずに育っていて、影響を受けたのはプロデビューしてから。
そういう漫画家は珍しいのだとか。

そりゃ手塚治虫なら私でさえ知っている…この低レベルな判断基準やめろって。

ムック「ちばてつや漫画家生活55周年記念号」には、ちば氏が15歳の頃に親に隠れて描いたという漫画「科学博士の出現-青レンガの洋館篇」が掲載されています。(ペンネームは「ちば てっちん」)

ロクに漫画を読めない環境で育ったとは到底思えないクオリティです。

友達に借りて読むことはできたのでしょうけれど、それにしても…才能としか言いようがないですね。

絶後の主人公矢吹丈とライバル力石徹

かつての弟子であり今も親しく交流しているらしいみなもと太郎氏は、ちばてつや作品が日本の漫画界に与えた影響がいかに大きいか、あさってまででも話し続けたいくらいのご様子。

時間がなくて短く切り上げるのに苦心しているように見えました。

司会の方がステージへ戻ってきて、お開きムードへと向っているのを承知でマイクを握りしめて言ったのは、

「日本の大衆文化において矢吹丈力石徹は、宮本武蔵と佐々木小次郎以来の存在で、その後、あれ以上のキャラクターは出現していない」

ということでした(私の要約です。一字一句漏らさず記憶できたわけではないのでご了承を)

みなもと氏は「マンガの歴史」という書籍 を出版しています。語り切れなかった詳細はこちらに書かれているとのことでした。

ちば氏の語ったラストシーン

最後の場面についても話題になりました。

ちば氏の話したことは、「あしたのジョー」のファンならおそらくみなさん知っていることです。

高森朝雄氏から原案が送られて来たけれども、どうしても違和感がぬぐえず、結末を変えたことと、ジョーが紀ちゃんに「真っ白な灰だけが残る」と話すくだりを読み返して、灰をすくっているように見えるジョーの手を見た時、最後の場面が浮かんだという話。

台詞「あとには真っ白な灰だけが残る」全文

※高森原案の最終ページは絵コンテも作られていて、公開されています。
見たことのない人は、ちばてつや公式サイト|資料室-あしたのジョー で。

そして

描いている時には、生きているとも死んでいるとも思わず、ただ、真っ白に燃え尽きたジョーをそのままに描いた。燃え尽きたということを表現したかった。

という話。

みなさんご存知ですよね。

でも、今回はちょっと事情が違います。

後半の「描いているときには~」は、最後に私たちへのメッセージとして語られたのです。

この回答を見聞きするたび、「毎回毎回ジョーの生死を聞かれて内心うんざりだろうな」と思っていたのですが、今日は、質問に対する答ではなく、終わりの挨拶としてご自分から話されたのです。

ちばてつや氏は、すべての矢吹チルドレンにこれを伝えたいと強く思っているのかな?と感じました。

「これ」とは何?

生きているか死んでいるかは、最後の1コマの本質ではなく、読んだ人がそれぞれに感じたままでいい。

それよりも

燃え尽きたひとりの青年から何かを感じて欲しい。

ということかな?と思います。

コーナーの椅子でうつむくジョーは笑っています。力石の死に顔を同じように。

私の長年の疑問、「ジョーは何故ハリマオ戦にスーツを着て行ったの?」は今日も解けませんでした。

同じく「どうしてジョーや力石は葉っぱを食うの?」と「ジョーが命令文の最後につける『い』はなんなの?」も依然謎のままです。

命令文の「い」ってこれのことです。これ何?

あしたのジョー1巻P62 矢吹丈はなぜ命令文末尾に「い」をつけるの?

KCコミックあしたのジョー(1)P62 (c)高森朝雄・ちばてつや2012

読み返すと…

もしかしたら、違うことが心配になってしまった人がいるかもしれないので念のため追記しておきますが…

ちばてつや氏は、桜色の丸顔で、いつもと変わらずお元気でしたので。

あしたのジョー3本上映

トークが終わると、アニメ「あしたのジョー」が3話分上映されました。

上映箇所は

アニメ1第1話「あれが野獣の眼だ!」
アニメ2第2話「そして、帰ってきた…」
アニメ2最終話「青春はいま…燃えつきた」

これでイベントは終了。練馬アニメカーニバル2018は、明日10月21日(日)までです。

会場出口近くに、SUEZEN氏の話していた島本和彦氏がラストシーンのジョーのコスプレをしている写真が展示されていましたが、人だかりがしていて良く分かんなかったので割愛。

遠目にもすごく凝ったコスプレだと言うことは見当がつきましたが…(単なる裸にトランクスではない)

「あしたのジョーの方程式」を読むと島本さんという方のジョー愛は分かります。

SUEZEN氏は、あのラストシーンがどれだけ浸透しているかを示す事例としてそのコスプレを提示していたのです。

 

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