あしたのジョー力石徹減量は良く知られていますが、後にジョーもウェイト問題にぶつかります。

これが…

階級をいくつ下げるだとか、kgではなくポンドが使われていたりだとかで、一体何キロ落としたのか、ちょっと分かりにくいのです。

原作にある階級と数値の情報から、力石とジョーは、それぞれ何キロ減量したのか、どれくらいの期間での減量だったのかを考えます。




力石の減量幅

力石の減量幅は、どの時点を減量の開始とするかで変わります。

力石は、少年院に入る前にもうプロボクサーでした。

少年院の教官の話によると、プロではウェルター級だったと…(KCコミック2巻P141)

当時の階級はこうです。

階級体重(kg)体重(ポンド)
ウェルター級66.678kg以下147lb以下
ライト級61.235kg以下135lb以下
フェザー級57.153kg以下126lb以下
バンタム級53.524kg以下118lb以下

退院後プロ復帰が叶った力石の試合を、ジョーは少年院娯楽室のTVで見るのですが、そのときの力石はフェザー級です。

あしたのジョー力石フェザー級5巻P36

KCコミック あしたのジョー(5)P36 (C)高森朝雄・ちばちてや 2012

ここで二階級下がっています。

その後ウルフ金串とジョーの試合が終わるとバンタム級への減量に取り組みます。

つまり力石は、2度減量しているのです。

なので力石の減量幅は、

少年院前のウェルター時代からの幅と考えると

当時のウェルター級は、61.236kg~66.678kg。

下限に近いウェイトでやっていたとは考えにくいので、リミットに近かったとすると66kg前後。

ジョーとの試合での力石のウェイトは、118パウンド(53.524kg)なので

66ー53.5=12.5kg

もしもウェルター時代が下限近く62kgだった場合でも
62ー53.5=8.5kg

の減量になります。

プロ再デビューのフェザーからの減量幅なら

ジョーたちがTVで見ていた力石の試合で、力石のコールに続けて体重のアナウンスも入ります。「125パウンド2分の1」でした。キロに換算すると56.926kgです。(KC5巻38)

前述の通りジョー戦のときは、53.5kgくらいなので

57ー53.5=3.5kg

の減量でした。

力石は本来ウェルター級がナチュラル体重?

ウルフ戦後、丹下ジムに集まった記者たちが力石の減量について

ふだんでもちょっと気を許すとたちまちウェルター級のウェイトにはね上がるっていう体格なのに
その三階級も下のバンタムに減らそうっていうんだからただごとじゃないよ

KCコミック あしたのジョー(7)P153 (C)高森朝雄・ちばちてや 2012

と噂しています。

フェザー級時代も相当苦労して体重を維持していたとなると、やっぱり力石の減量はウェルター級からバンタム級への三階級分だったとするのが妥当かな?と思います。

参考:少年院時代の力石のウェイトを知る手がかり

少年院時代の力石の体重は不明ですが、少年院でのジョーとの試合の前に段平が力石を指して

あの力石くんの体はどうひいき目に見ても
ライト級はたっぷりある

KCコミック あしたのジョー(3)P71 (C)高森朝雄・ちばちてや 2012

と言っています。

ひいき目でライト級たっぷりというのがどれくらいかは人によってバラつきが出ることと思いますが、ウェルター上限までは行かない、63kgとかそれくらい?

63kgからの減量だったとすると

63ー53.5=9.5kg

になります。

ジョーのための減量だったので、ジョーと最初に試合したこの日のウェイトを起点に考えるのでも、そうおかしくないでしょう。

力石の減量期間

ではその10kg前後(8.5kg~12.5kg)をどれくらいの時間をかけて減量したのか。

落とした状態をどれくらいの期間維持していたのか。

今度はこれを検証します。

力石は、

退院してから減量をスタート、ウェルターからフェザーに落として再デビュー

だったと考えていいでしょう。

力石が退院したのは、ジョーと青山の試合の3日後なので季節は秋でした。
このときウェルターの体重です。

では収容生たちがTV観戦した再デビューは、いつだったのか。

これは微妙ですが、原作ではこの日まだ西が少年院にいます。

西はこの後間もなく退院、脱走未遂で収容期間が延長されていたジョーは少し遅れて退院となるのですが、ジョーは退院の翌朝、西が縄跳びする音で起こされ「春眠をむさぼっている雰囲気ではない」と言っているので、ジョーの退院は春だったと推測できます。

その少し前に西退院、さらにその少し前にTV観戦なので、力石の復帰戦は冬の終りか早春くらいだったと考えられます。

そうすると…

秋の退院から春の初めの再デビューは、5~6ヶ月。

退院時のウェルター級から半年足らずでフェザーまで落としたことになります。

再デビュー後はフェザーに留まり、ジョーとウルフの試合が終わってバンタムへの減量、あの地獄の減量がはじまります。

ウルフ戦は秋でした。

試合の翌日、寝込んでいるジョーにと食料を買い込んできた西が「食欲の秋」と言っています。(KC7巻P138)

ここで減量をはじめた力石は、ジョーとの対戦の前に、フィリピンのバンタム8位パンチョ・レオと対戦するので、この時にはバンタムのリミットまで減量しています。

この日のウェイトは、118パウンドでした。53.524kgです。(KC7巻P161)

パンチョ・レオ戦の帰りに、段平が「めっきり寒くなりおった」と言っていることから、この試合は冬のはじめ頃かと思われます。

力石がフェザーからバンタムへウェイトを落としたのは、秋(ジョーとウルフの試合)から冬のはじめ(力石vs.パンチョ・レオ戦)までの期間だったということです。

大体2ヶ月くらいでしょうか。

その後力石は、ジョーとの対戦までの間バンタムのウェイトを保たなければならず、自然な体重からゆうに10キロは下の数値に留まるという、これもまた大変なことをやっているわけですが、パンチョ・レオとの試合からジョーとの試合まで、どれくらいの日数が開いていたのかは不明です。

ジョーと力石の試合は冬だったとしか分かりません。
(試合で死んだ力石の葬儀の夜、玉姫公園に雪が降っています)

でも、力石をそう長くバンタムに置いておくのは酷なことであり、パンチョ戦からジョー戦の間に何ヶ月もあったとは考えにくいですし、パンチョ戦を観たジョーが、その夜から始める特訓、段平と西のふたりを同時に相手にするあの特訓のペースから見ても、時間があまりなかったことが伺われます。

長くて1ヶ月くらいでしょう。

迎えた力石vs.矢吹戦。力石のウェイトは、パンチョ戦の時と同じくバンタムのリミット118パウンド(53.524kg)でした。(KC8巻P85)

まとめると…

力石の減量期間は

1st減量:63kg前後から57kgのマイナス6kg
少年院退院時のウェルターからフェザーが半年程度

1st~2ndの維持:
フェザーでの再デビューからウルフ金串vs.矢吹丈戦で半年程度

2nd減量:57kgから53.5kgのマイナス3.5kg
ウルフ-ジョー戦からパンチョ戦の2ヶ月程度

2ndの維持:
パンチョ戦からジョー戦の1ヶ月足らず

でした。

期間については、作中の季節から判断する他なく、必ずしも正確とは言い切れないのですが、上の通りだったものとしてグラフにするとこうなります。

力石の減量グラフrere

油断すればウェルターまで跳ね上がってしまうという力石です。
フェザーにとどまっている期間もかなり辛かったのではないかなと思いますが、そこから更に階級を落とすとなると、絶食に近いことをやるくらいしか手立てがなかったのも無理ないことだったのか…

完全にカタボリック上等の減量ですね。

当時カタボリックという考えは、なかったでしょうけども。

参考:減量中力石の食べていたもののカロリー

力石の減量の中で印象的なのはリンゴとトマトですが、

リンゴのカロリー
100gで54kcal
大きいりんご一個だと218kcal

トマトのカロリー
100gで19kcal
特大のトマトでも一個73kcal

だそうです。
簡単!栄養&カロリー計算

このリンゴとトマト。

ここも混乱しやすいように思いますが、

リンゴ:白木邸のゴージャスディナーの皿を下げさせて、立ったまま食らう。

トマト:白木ジム食堂で葉子に付き添われて1個だけ食す。

です。

ジョーの減量幅


ジョーがウェイトで苦労するのは、二十歳の頃です。

成長期を迎えるのが遅かったのでしょう。

東洋タイトルに手が届こうとかという頃、ジョーの身長は急激に伸び、同時に体重も節制程度では太刀打ちできないほど増えて行きます。

ジョーがウェイト問題を段平に打ち明けるのは、金竜飛戦の少し前で、この時丹下ジムの体重計に乗って見せたジョーの体重は57kg

さらにジョーは、

ちょっと気を許すとすぐ60を超して
ライト級まで上がっちまうんだ

KCコミック あしたのジョー(15)P77 (C)高森朝雄・ちばちてや 2012

と言っています。

金竜飛戦の直前に、色々やって(色々です、ええ)なんとかバンタムのリミットであるおよそ53.5kgを割ることに成功するのが、ジョーの減量です。

減量幅は、60kgからと考えると

60-53.5=6.5kg

57kgからと考えると

57-53.5=3.5kg

になります。

精一杯絞った状態で57kgということなので、60kgからの減量と見たほうが実情に沿っているんじゃないかと思います。

ジョーの減量期間

ジョーは、しばらくの間は誰にも言わずに一人で苦心してウェイトを抑えていました。

最初にジョーが自分の体重問題を自覚したのがいつだったのか、はっきりとは分かりません。

金竜飛戦の前は、ジョーの連戦連勝期間であり、当時は少なくとも計量をパスしていたはずですが、深夜に新ジムを抜け出して古いジムで明かりもつけずに何かを考えていたのもその頃です。

あしたのジョー_減量初期14巻P149

KCコミック あしたのジョー(14)P149 (C)高森朝雄・ちばちてや 2012

ジョーは、この少し後に

なぜたった一言ハカリに乗ってみろと言わねえ…
その一言で最近のおれがすべて理解できるはずだぜ…

KCコミック あしたのジョー(15)P50 (C)高森朝雄・ちばちてや 2012

と呟いていることから、深夜旧ジムのジョーは、こっそり体重を測って考え込んでいたものと思われます。

旧ジムの一件の後、テレビ関東のパーティで会った葉子がジョーの体つきや、料理に手をつけない様子からウェイト問題を見抜いているので、この時期には、オーバーウェイト、気を抜くと60kgという状態になっていたのでしょう。

パーティの夜、葉子はコートを着ています。

段平にウェイト問題を話すのは、金竜飛がフェザーの剣持と試合をした日の夜です。
この試合でも葉子はコートを着ています。

金竜飛戦の日も葉子はコートを。

全部違うコート。さすがだ…

いえ。そういう話ではなくて…

ジョーが減量を意識し始めた時期は判然としませんが、葉子が気付くほど体型や食行動が変わったのは冬になってからで、しばし後に段平にカミング・アウトしてジムをサウナ化、屋根裏で絶食。

そうして迎えた金戦も、まだ冬のうち。

原作内の情報をかき集めるとこうなります。

ジョーの減量は、秘匿していた時期はかなり長かったのかもしれませんが、いよいよ大問題となるのは冬に入ってからで、金戦当日まで二ヶ月か三ヶ月くらいかなと。

そして絶食したり、腫れ上がった顔でドヤ街を走ったりしていた期間は、長くて1ヶ月くらいでしょう。

もっと短いように感じられますが、原作でジョーが段平にウェイト問題を話したのは、葉子に

数週間後おれは東洋のチャンピオンだっ

KCコミック あしたのジョー(15)P65 (C)高森朝雄・ちばちてや 2012

と言ったのと同じ日です。

そうすると、減量が本格化してから金戦当日まで数週間はあったことになるので、思ったより長いのだなと。

食べずに一日中汗を流してもほとんどウェイトが減らない状態というのは、もうほとんど落ちるものがない体組成だったと想像されます。

そこをさらに絞ろうとする減量を、何ヶ月も続けていられるはずもなく、1ヶ月が限界でしょう。

減量中のジョーが食べなかったもの

大々的に減量をはじめるとすぐにジョーは、「なんにも食わねえ」体制に入ります。

段平は、なんとかジョーにモノを食べさせようと、さまざまな食料でジョーを釣ろうとしますが、ジョーは応じず、試合の日まで正真正銘の飲まず食わずでした。

ジョーに食べさせるために用意された食べ物というと、紀ちゃんのトマトサンドが印象的かと思いますが、原作にはこの時の兵器に紀子サンドはありません。

ジョーの減量は、「真っ白な灰」「ついていけそうにない」の後で、原作の紀子は、もう丹下ジムに顔を出さなくなっています。

原作で段平が減量中止作戦に使ったウェポンは

ミカンと一升瓶の水:玉姫公園で落ちているミカンの皮を拾い上げてじっと見ているジョーに、本物のミカンを見せて瓶の水の音を聞かせる。
→ジョーはミカンを握りつぶして瓶を叩き割る

卵焼きとサラダ(マヨネーズかけ):旧ジム屋根裏に篭るジョーに運ぶ
→皿ごと顔に投げつけられてハシゴから落下

サンドイッチ with バター、チーズ、牛乳、ジュース:屋根裏へ
→同じく落下

コーンスープ(あつあつ):屋根裏
→鍋ごと顔

焼き鳥、うなぎ、秋刀魚:上に運ぶと突き落とされるので、ハシゴの下に設置した七輪で焼いて炙り出す作戦
→ジョーは屋根裏でのたうち回っているけれども降りては来ない

段平は諦めたフリをして体重計を細工。
ジョーは、実際よりも軽く測れる体重計に乗って減量に成功したと信じます。

参考:矢吹丈の身長

原作の中でジョーの身長が明らかになる場面はありませんが、アニメでは明確な数値が出てきます。

ひそかにウェイトに悩むジョーの前に現れる須賀清が言ったジョーの身長と体重

須賀清自体が、アニメだけの登場人物です。

須賀が初めてジョーの前に姿を現すのは、アニメ2第16話「遠い照準か…世界への道」です。

ロードワーク中のジョーに須賀は、

「164.5cm、52.5kg。そうは見えないね」

と言い、続けて、

「もっともこれは1年前の公式記録だ」

と言います。

遅い成長期を迎える前のジョーの身長体重が、その数値164.5cm、52.5kgだったのでしょう。

アニメだけのデータなので参考資料くらいの位置づけになるかと思いますが、少年院でもジョーは、小柄なほうでしたし、その後もウェイトで困っている様子はなかったので、大体これくらいだったと考えて差し支えないかと思います。

ウェイトに悩むようになる1年前の身長は、164.5cm。

減量時ジョーの身長は何センチだったのか

1年後にどこまで伸びていたのか。これは原作アニメの両方にあるエピソードから判断できます。

玉姫公園の滑り台には、ジョーがドヤ街のチビ連と一緒につけた背丈のキズがあり、減量期のジョーが、そのキズと現在の身長を比べて

「ここ1年足らずで6センチも伸びてやがる」と呟いています。

あしたのジョー15P114

KCコミック あしたのジョー(15)P114 (C)高森朝雄・ちばちてつや 2012

164.5cmだった身長が6cm伸びると170.5cmです。

出ている数値をまとめると

矢吹丈の身長は

成長期前:164.5cm
急激に伸び始めて1年後(減量期):170.5cm

と、こうなります。
(164.5cmはアニメだけにあるデータなので、あくまで参考です)

ホセ戦でのジョーの身長体重


そうすると、世界タイトルに挑戦した時のジョーの体格も大体分かります。

「大体」というのは、身長が推定値だからです。

東洋タイトルを獲得した後のジョーには、減量に困っている様子はありません。

ようやく成長期が終わり、身長の伸びが止まったものと仮定すると、170.5㎝のまま。

ウェイトは、試合の前にアナウンスされています。

青のコーナー世界バンタム級4位

丹下ジム所属

117パウンド4分の1 矢吹丈

KCコミック あしたのジョー(20)P21 (C)高森朝雄・ちばちてや 2012

117.25パウンドは、53.18kgです。

武道館でホセと対戦した日のジョー、真っ白な灰になった日のジョーは

170.5㎝
53.18kg

でした。

男の世界

力石はジョーと戦うために、ジョーは力石の降りてきたバンタムに残るために決死の減量に挑みました。

力石は「男の世界」と言い、ジョーは「耐えるってことそのものが拳闘の世界」と言います。

ふたりとも減量後の試合に勝利します。

力石の命はそこで尽きますが、三年後、力石の減量こそがジョーを東洋チャンピオンの座へ押し上げます。

「男の世界」

西はうどんです。

西の減量と減量幅はこちらに

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