【あしたのジョー全出来事24】ジョー クロスカウンター体得 力石は暴れ牛で特訓
「あしたのジョー」をアニメの違いを確認しながら振り返って行きます。
今回は、クロスカウンターを習得するジョーとそれを見破り暴れ牛相手に特訓する力石の話です
Contents
エピソード
通り魔トレーニング
ジョーが少年院の庭を走っています。
追ってくる収容生を振り向きざまに殴り倒すと、また走り出します。
追わせて振り向いて殴る。これを繰り返し、追手全員を倒し…
この時ジョーは、収容生らを練習台にクロスカウンターを会得したのでした。
西の不安
その頃西は、医務室のベッドに横になっています。
クロスカウンターの最初の実験台は西でした。
医務室で目を覚ましたジョーは、ひとしきり黙って考え込んでいたと思うと、ベッドの横に付き添っていた西をからかって怒らせ、殴りかからせてカウンターで倒しています。
ここで「相手がこちらへ突っ込んでくるそのベクトルを利用すればパンチの威力が増す」というカウンターの原理は理解したふう。
段平は、クロスカウンターについて一言も説明していません。
だたジョーにストレートを打たせてカウンターを返してみせただけです。
まあ天才と言うのでしょう。
西は先ほど受けたパンチのすさまじさから、ジョーが大変な技を身につけたことは認識していますが、喜んではいません。
「強くなればなるほど不幸になる」
なぜかそんな予感がして西は不安なのです。
(前略)
ただわいが気がかりなのは…
ジョーが一つ一つ恐ろしいパンチを覚えていくたびに…
ジョー自身も一つ一つ…
ふ…不幸にのめり込んでいくような気がすることや…
KCコミックあしたのジョー(3)P30 (c)高森朝雄・ちばてつや2012
「あしたのジョー」は、結末や先々のストーリー展開が未定のまま連載されていた作品です。
作画のちばてつや氏が「減量中の力石に死相が出ていたから、この人を生かしておいては作品が台無しになる」と考えて、力石を死なせることを強硬に主張したと話していることからも分かる通り、まだこの時には力石の運命すら決まっていません。
それでも、いずれにしろこの後矢吹丈に大変な何かが起きることだけは決まっていたように感じられます。
物語の主人公に何も起こらず順風満帆なまま進行する作品などほぼあり得ませんが、ちょっとやそっとのことではない事態を発生させるつもりだったのでしょう。少なくとも原作者は。
仕方がありません。
ちょっとやそっとのことでは足りないのは、ジョーがちょっとやそっとの人間ではないからです。
力石の猛牛特訓
一方力石は、段平がジョーにクロスカウンターをコーチしたと見破り、農場の暴れ牛を相手に練習を始めます。
ふたりともおかしいだろ。
よく考えたらなんであそこに猛牛がいたの?少年院もおかしいよ。
該当箇所
コミック:3巻 P.18~50
アニメ1:第13話「宿命のリングに立て」
コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。
原作とアニメの相違点
収容生がジョーを追う目的が違う
原作での収容生は、医務室の窓から飛び降りたジョーを「公然と袋叩きにするチャンスだ」と言って追いかけ、教官らは、「日頃周囲の恨みを買っているジョーがどんな報復をされるか分からない」と心配するのですが、アニメでは教官が収容生たちに「ジョーを捕まえたら三日間の特別休暇を与える(文意)」と言って、手に負えないジョーを取り押さえるよう指示しています。
力石一人がその騒ぎに加わらず、ジョーのしたことを見ていなかったのは、どちらも同じです。
力石は、倒れる収容生の状態と医師の見解から、段平がジョーに教えたのはクロスカウンターだと見抜くのです。
アニメだけにある力石の不吉なセリフ
対暴れ牛特訓後、力石がジョーに、「お前を本当にぶっ殺しちまうんじゃあねえかと心配だが、ケンカじゃねえ、試合なんだからな(文意)」と言っています。
これは原作にはないセリフです。
全出来事もくじ的なリンク集はこちらに
あしたのジョー あのエピソードは何巻・何話だっけ対応表アニメ1編
あしたのジョー あのエピソードは何巻・何話だっけ対応表アニメ2編