【あしたのジョー全出来事23】段平、ジョーにクロスカウンターを実地指導-あしたのために(その3)
「あしたのジョー」を原作とアニメの相違点を確認しながら振り返っています。
今回は、段平がジョーにクロスカウンターを教える話です。
エピソード
今のジョーの実力では、力石とまともに打ち合って勝てるはずがなく、ジョーにコーチをする時間もないと見た段平は、ジョーにクロスカウンターを実地指導します。
実はこの時にはまだ、段平がジョーに何をしたのか読者には分かりません。
「力石と思って打て(文意)」と言われて渾身の一撃を繰り出したはずのジョーが、段平の足元でが意識を失っているのが描かれているだけなので。
倒れているジョーを見て、山谷の子供たちは猛然と段平に抗議し、西も何か言いたげな目で段平を睨みつけていますが、その段平も、いわばこれは「あしたのために=その3」だと話す途中で血を吐き出して倒れてしまいます。
集まった人々があきれる中、葉子だけは、段平の繰り返す「あした」という言葉を聞き逃しませんでした。
「すばらしいあした」は
きょうという日をきれいごとだけ…
お体裁だけととのえてすごしていては永久にやってこないわ
血にまみれ汗や泥にまみれキズだらけになって…
しかも他人には変人扱いをされるきょうという日があってこそ…
あしたは…
ほ…ほんとうのあしたは…!
KCコミックあしたのジョー(3)P14 (c)高森朝雄・ちばてつや2012
と、誰に言うともなく語ります。
葉子はただの偽善者などではなく、どう生きていくべきなのかを必死に探している最中なんだなと感じさせる場面です。
ジョーが逮捕されたのは雪の夜でしたが、このシーンでは(原作でもアニメでも)蝉が鳴いています。
季節は夏になっていたようです。
該当箇所
コミック:2巻 P.230~3巻 P.15
アニメ1:第12話「燃える太陽に叫べ」
コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。
原作とアニメの相違点
大きく違うところはないです。
漫画では、収容生の誰かが水飲み場でジョーが倒れているのに気付いて、おいおいみんな来て見ろよとなるのに対し、アニメでは、ちょうど芝居が終わってみんなが体育館を出てくる時にジョーの悲鳴が聞こえたので、力石を先頭に水飲み場に駆けつけてみると、ジョーがダウンしていた、となることくらいでしょうか。
たいした違いではないですね。
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