【あしたのジョー全出来事27】少年院にボクシングブーム勃発 青山初勝利
「あしたのジョー」を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返って行きます。
今回は、ジョーと力石の試合後、少年院にボクシング熱が高まり、自主的に試合を始める話です。
エピソード
ジョーのクロスカウンターが決まり、力石とジョーはリングに倒れたままです。
何が起きたのか分からず首を傾げる収容生たちに段平が説明します。
ジョーがやったのはクロスカウンターという技だと。
この解説で段平が名前を出したメデルというボクサーは、ジョーと言う名前なのですね。
無冠の帝王と呼ばれたジョー・メデル。
JoeはスペインではJose(ホセ)になるので、メデルは本国メキシコではホセ・メデルという名だったことになります。
ロープ際の魔術師とも呼ばれていたのかメデル。しかもバンタム級。
Wikipediaをぼんやり見てると「あしたのジョー」関連のページかと勘違いしちゃいそうです。
眠ったまま木陰に運ばれたジョーと力石の顔に赤味が戻ってくる頃、リングは試合の順番を争う収容生たちで鈴なりになっていました。
やがて試合の順序が決まり、西がレフリー役で試合が開始されますが、最初の対戦は巨漢の荒井と小柄な青山。
試合は意外な展開を辿り、青山が勝利します。
青山はこの時、カウンターの原理を理解し、適切なタイミングで使ったのです。
静かになった木陰では、意識を取り戻した力石とジョーが、並んでそれを見ていました。
該当箇所
コミック:3巻 P.135~166
アニメ1:第15話「白いマットの子守唄」
コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。
原作とアニメの相違点
葉子の物思い
収容生がリングで生き生きとボクシングを楽しむ中、葉子がひとり海を見て考え事をする場面は、アニメだけにあるものです。
リングに群がる彼らの顔は、葉子がそれまで見たことのないものでした。
慰問して演劇を披露し、みんなを喜ばせていると思っていたけれど、あれは本当の喜びだったのか…
その時、ジョーの言葉が甦ります。
「あんたのすることは、いつも雲の上から」
「今度も高みの見物かい?」
そうではないとの否定する葉子でしたが、そうでなくなんなのかは、この時答が出ません。
まだこの頃の葉子には人間的な厚みが感じられません。
でも、葉子自身もそれに気付いています。
自分は何をしたらいいのか。どう生きたらいいのか。必死に答を探しているように見えます。
力石とジョーが言葉を交わすか交わさないか
アニメでは、先に目を覚ました力石が、寝ているジョーに小石をポンと投げてジョーが目を開けます。
そこで力石は「よくやったな。負けたぜ」と言っています。
原作では、この時ふたりの間に言葉はありません。
横たわったままうっすらと目を開けているふたりの絵
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力石が起き上がって、隣のジョーは仰向けに寝たままの絵
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収容生たちのボクシングの様子が出て
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座っている力石の横にジョーが立って、ふたりでリングの方を見ている絵
と進むだけで、ふたりは一言も会話していません。
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