「あしたのジョー」を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返って行きます。

今回は、ジョーと力石の試合後、少年院にボクシング熱が高まり、自主的に試合を始める話です。




エピソード

ジョーのクロスカウンターが決まり、力石とジョーはリングに倒れたままです。

何が起きたのか分からず首を傾げる収容生たちに段平が、クロスカウンターについて説明します。

この解説で段平が名前を出したメデルというボクサーは、ジョーと言う名前なのですね。

無冠の帝王と呼ばれたジョー・メデル。

JoeはスペインではJose(ホセ)になるので、メデルは本国メキシコではホセ・メデルという名だったことになります。

ロープ際の魔術師とも呼ばれていたのかメデル。しかもバンタム級。

Wikipediaをぼんやり見てると「あしたのジョー」関連のページかと勘違いしちゃいそうです。

Wikipediaの「ジョー・メデル」

眠ったまま木陰に運ばれたジョーと力石の顔に赤味が戻ってくる頃、収容生たちは、試合の順番を争ってリングに鈴なりになっていました。

やがて、試合の順序が決まり、西がレフリー役で試合が開始されますが、最初の対戦は、巨漢の荒井と小柄な青山。

試合は意外な展開を辿り、青山が勝利します。

静かになった木陰では、意識を取り戻した力石とジョーが、並んでそれを見ていました。

該当箇所

コミック:3巻 P.135~166
アニメ1:第15話「白いマットの子守唄」

コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。

原作とアニメの相違点

葉子の物思い

収容生がリングで生き生きとボクシングを楽しむ中、葉子がひとり海を見て考え事をする場面は、アニメだけにあるものです。

リングに群がる彼らの顔は、葉子がそれまで見たことのないものでした。

慰問して演劇を披露し、みんなを喜ばせていると思っていたけれど、あれは本当の喜びだったのか…

その時、ジョーの言葉が甦ります。

あんたのすることは、いつも雲の上から。
今度も高みの見物かい?

そうではないと、否定する葉子でしたが、そうでなくなんなのかは、この時答が出ません。
最後まで、葉子がこれに対する答を語ることはありませんでした。

まだこの頃の葉子には、人間的な厚みが感じられません。
でも、葉子自身もそれに気付いています。
自分は何をしたらいいのか。どう生きたらいいのか。必死に答を探しているように見えます。

力石とジョーが言葉を交わすか交わさないか

アニメでは、先に目を覚ました力石が、寝ているジョーに小石をポンと投げてジョーが目を開けます。

そこで力石は「よくやったな。負けたぜ」と言っています。

原作では、この時ふたりの間に言葉はありません。

横たわったままうっすらと目を開けているふたりの絵

力石が起き上がって、隣のジョーは仰向けに寝たままの絵

収容生たちのボクシングの様子が出て

座っている力石の横にジョーが立って、ふたりでリングの方を見ている絵

と進むだけで、ふたりは一言も会話していません。

私は漫画の表現の方が好きだなと思いますが、アニメではふたりとも無言だと伝わりにくいというか、印象に残りにくいのかもしれません。

漫画やアニメの技法について全然知らないので、どうもこういうことが分からないのですが。

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