「あしたのジョー」を漫画とアニメの違いなどなど確認しながら振り返って行きます。

今回は、力石とジョーの試合後、段平がどういうわけか小柄で気弱な青山につきっきりでコーチし始める話です。




エピソード

打倒力石にますます燃えるジョーでしたが、段平はなぜかそんなジョーを放置して青山にばかりかまけるよういなります。

体育館の隅でふたりが練習しているのを見つけたジョーは、なんとしても力石に勝ちたい、俺にもコーチしてくれと

あーココ書きたくない…

コーチしてくれと、手をついて懇願します。

なのに段平は、ジョーを押し付けがましいと非難し、青山を連れて別の場所へ移ってしまいました。

土下座の格好で取り残されたジョーを、他の収容生らが取り囲んでいます。力石の顔も…

段平の目的を知っていてもこの場面は辛いです。

ジョーは、親に置いて行かれた子供なんだよ。
自分と同じくらいの歳の子が、親に手を引かれて歩くのを横目で見ていた子なんだよ。

こんなの無理だよ。
もっと違うやり方なかったの?

該当箇所

コミック:3巻 P.167~231
アニメ1:第16話「裏切りの落日」~第17話「嵐の中に1人」

コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。

原作とアニメの相違点

ジョーと葉子の泥の掛け合い

ジョーと葉子が小学生のケンカのようなことをするのは、原作だけの場面です。

ひとり鍬の片手掘り(リストを鍛えるため)に励むジョーに葉子が近寄って行き「ご精が出ること」と声をかけます。

ご精が出ることってあんた、わざと怒らせようとしてるだろ。

ジョーは、ひときわ力強く鍬を振り下ろし、はじけ飛んだ泥が葉子にかかります。

葉子が負けずに、あなたはすさんでいる、いつもなにかに追われているみたいだと言うとジョーは、

おれはどこかのお嬢さんと違って
暇も金も自由すらも持たねぇ男だからな!

ゆとりはねぇ

この少年院というわくの中で精一杯生きているのさ

だれにも踏みつぶされないようにな
なめられないようにな
誇りをキズつけられないようにな!

KCコミック あしたのジョー(3)P213
(C)高森朝雄・ちばちてや 2012(C)

と答えます。

これに対して葉子は、ちっぽけな人間だと返しますが…そうか?

15歳の少年には15歳の少年の誇りってものがあるし、誇りは命よりも大切なものだよ。
葉子は、誇りを守らなければ!と感じるような状況になったことがなかったのかも。

言い返すだけでは足りなかったようで、足元の泥をすくってジョーに投げつける白木財閥令嬢。

ここまで来ると、もう、仲いいねとしか…

大体どうせケンカになるのになんで近寄っていったん?

力石戦の後だったので、葉子はジョーを見直していて、ジョーの方もあの試合で少しは心境が変わっているかも、もしかしたら普通に話が出来るかもと思ったかな?

葉子は、憤慨を背中で表現しながら立ち去ります。
後姿だけで怒っていると分かる1コマ。さすがです。

少年院での段平の立場

形式的なことですが、アニメでは葉子の口利きで段平は東光特等少年院のボクシング専任コーチという肩書きがついています。

教官が「丹下さんの待遇についてはできるだけのことを~」と言っているシーンがあるので、ある程度の礼金は出ていたのじゃないかなと。

だとすれば現実問題として段平は、葉子のおかげでかなり助かったでしょう。
段平にちょくちょく少年院に出向いて来られるようなお金があったとも思えませんし。

実際アニメでは、子供たちがジョーの後援会を作って交通費を寄付してもらう作戦を立てています。(後述)

漫画では専任等の言葉は出てこないので、相変わらずジョーの保護者として訪問しているだけなのだろうと思いますが、今では、肉親以外は面会不可等々うるさく言われず、比較的自由に院内に入れるようになったようです。

山谷の子供たちの寄付金集め

小ネタでストーリーの展開には影響しませんが、アニメではドヤ街の子供たちが段平の家に「矢吹丈こうえん会じむしょ」という看板を掛け、町内で寄付金を募ろうと企てています。

寄付金の使いみちは、ジョーに会いに行く旅費なのですが、寄付金詐欺で捕まった人のために寄付金を募るという発想が、なかなかイカすなと。

看板にある「丈」の字、「丈」の右上に点のついた「犬」みたいな字は、俗字と言われるもので、人名などに使われる字です。

読みは「じょう」で意味も同じです。

手書きなどで用いられることがあるが正式な文書では用いられない漢字。第の草体(=㐧)や中の人四つが書かれない傘(=)や図書館を表す囗+トなどをいう。略字の項目も参照。

Wikipedia「俗字」

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