【あしたのジョー全出来事93】燃え尽きた力石の死に顔-自責の葉子茫然のジョー
「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返っています。
アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。
試合後のジョーの控室に力石死亡の知らせが届きます。
エピソード
負けたはずのジョーの控室に取材陣が押しかけてくるので段平が追い返そうとすると、記者たちが告げます。
力石が死んだ。
続けて
過酷な減量に加えて第6Rに矢吹が放ったテンプルへの一撃
及び その時ダウンした際に
ロープで後頭部を強打したことによる脳内出血KCコミックあしたのジョー(8)P215 (c)高森朝雄・ちばてつや2012
と、ご親切にも説明してくれます。
この言葉は、この後いつまでもジョーの頭の中で繰り返される呪文となり、ジョーの手足を縛ります。
あまりのことに咆哮するジョーにシャッターが切られますが、ジョーにはもう何も分からない様子です。
段平とともに医務室へ向かう西は、急いでいるのに控室のドアを閉めていきます。
「中にいるジョーを撮るな」という無言のメッセージでしょう。
力石の横たわる医務室にやや遅れてジョーがやってきます。裸足で。
葉子は、私が力石くんを殺したと言い、幹之介は、彼は燃え尽きて死んだ、満足しきって死んだのだと言います。
「燃え尽きて」
物語の重要なキーワードは、力石の死を表現する言葉として出たのが最初です。
ジョーの体験することを力石はいつも先にやっています。
ボクシングを始めたのも力石が先。少年院に入ったのも出たのも。後にジョーが苦心する減量も力石が先でした。
ジョーが茫然と見下ろす力石の死に顔は、微かに笑っています。
力石にこんな顔があったのかと思うような安らかな顔でした。
愁嘆と悔恨の医務室で力石ひとりが幸せな顔。
力石は、永遠の勝者になりました。
該当箇所
コミック:8巻 P.214~9巻 P.19
アニメ:第51話「燃えつきた命」
コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。
原作とアニメの相違点
大きな違いはありません。