【あしたのジョー全出来事84】最後の握手「バンタム級 力石 vs 矢吹 今夕7時 後楽園ホール」
「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返っています。
アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。
ジョーと力石は、計量で顔を合わせます。
エピソード
試合前計量に向かうジョーは、早く力石に会いたくて今にも駆け出してしまいそうです。
計量は、ジョーも力石も無事にパス。
プロで決着をと誓ったふたりの宿願が果たされることが決まりました。
ところが…
カメラを向けられるジョーが調子に乗ってポーズをとっている間に力石は帰ってしまいます。
まだ話もしていません。
力石を探して後楽園ホールを出ると、ロールスロイスに乗り込もうとするのが目に入ります。
ジョーは、両手ブラリ姿勢で力石の元へ走っていきますが…なんで?
どうせ今夜また会うのに。
条件反射的に追いかけて行ったようにも見えます。
力石を見たら追うのが習性というか。
力石は「なんだい?」とたずねますが、ジョーは何も言えません。
力石が少年院を退院するときと同じです。
呼びとめはしたものの話すことがあるわけでなく、あの日のジョーは、殴りかかりましたが、今日は右手を差し出しました。
力石が命がけの減量をして迎えた今日という日です。
今のジョーは、知っています。
自分にとって力石が特別であるように、力石にとってもまた自分が特別な人間だと。
誰かにとって特別な自分。誰かに愛されている自分。
普通の家で育った子供なら当たり前に知っている気持ちですが、ジョーには初めてのことです。
もしかしたら力石にとっても。
握手するふたりの頭上で、今夜の試合を告知する垂れ幕が落とされます。
「バンタム級 力石 vs 矢吹 今夕7時 後楽園ホール」
晴れがましい気分です。
この試合で何が起きるのか知っているのに。
該当箇所
コミック:該当箇所なし
アニメ:第47話「嵐の前のふたり」
コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。
原作とアニメの相違点
アニメ第47話の決戦前夜から当日試合前計量までの話はすべて、原作には描かれていない部分です。
他に
試合の前日、丹下ジムの血みどろの練習もとうとう終り、ジョーが久しぶりに子供たちと遊ぶシーンがあります。
チョロ松が「試合が終わったら盛大にパーティをしよう」と提案し、ジョーはそれに頷きます。
試合が終わったら…
チョロ松が、ジョーの勝利を確信してそう言ったのか、勝敗に関係なく、この勝負そのものがジョー兄ぃにとって喜ばしいことだと理解していてそう言ったのかは定かでありませんが、この約束が実現することは、ありませんでした。
ジョーが同じ気持ちで思川を眺める日はもう来ません。
少年院から泪橋に帰って、力石との試合が終わるまで。
この期間が、ジョーの一番幸せな時期でした。
間もなくこの幸せが突然終わることをまだ誰も知りません。
……
ああ。
あとひとつ重大な違いが
アニメの丹下ジムにはお風呂があったことが判明します。
ジョーが段平の背中を流してやる場面があります。
シャワー室に浴槽がある?
お湯は薪で沸かして冬はお湯のお風呂に入れてた?
一年中ドラム缶の水浴びてるのかと心配してました。
原作のジムでは、そうしているような気がしますが。