【あしたのジョー全出来事68】力石「立つんだジョー」ダブルクロスでジョーダウン
「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返っています。
アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。
今回は、ウルフのクロスカウンター破りです。
エピソード
リング上では、ようやくジョーのクロスカウンターが出ました。
ウルフ金串vs.矢吹丈戦は、3Rまで進んでいます。
観客は大喜びしますが、倒れたのはジョー。
これがウルフのクロスカウンター破りの技。ダブルクロスカウンターと呼ばれるようになるものです。
クロスカウンターはこう
ウルフ左ストレート
↓
ジョーが右ストレートをクロス
↓
ウルフダウン
となるのが普通のクロスカウンターですが、
ウルフのダブルクロスは
ウルフ左ストレート
↓
ジョー右をクロス
↓
ウルフ、ジョーの右腕を左ひじではじきとばす
同時に右ストレート
↓
ジョーダウン、ウルフはノーダメージ
と、こういうテクニックです。
これを受けてジョーは倒れたのでした。
ウルフも大高も勝利を確信しています。
そりゃそうであろう…あろうけれどもね。
力石はたまらず席を立ち、リングにかじりついてジョーに立てと叫んでいます。
ウルフに勝ったら次は力石。
ジョーが信じているのと同じように、力石もそれを待っています。
致命的に見えるこのダウンからジョーは立ち上がりますが、ダメージは深く、インターバルをはさんでもとても回復したようには…
しかし、続くラウンドでもジョーの両手ブラリは続きます。
ノーガードになればウルフは左ストレートを出し、ジョーはクロスに行きますが、そのクロスははじかれ、右で倒されてしまうのに。
試合をレフェリーストップさせろと観客が怒り出しました。
試合での両者のダウン状況はこちらに(原作での状況)
丹下段平は何度「立つんだジョー!」と言ったか 矢吹丈全52ダウンから検証 #対ウルフ戦
該当箇所
コミック:7巻 P.98~117
アニメ:第38話「史上最大の6回戦」~第39話「勝利のトリプルクロス」
コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。
原作とアニメの相違点
大きな違いはありません。
原作では、観客が試合を中止しろと言うのに対して、「矢吹の眼はまだ燃えている、あれはTKO負けする選手の眼ではない」(文意)と話すのは解説者ですが、アニメでは力石のモノローグが同じ内容を語っています。
この日の解説者は序盤、冷静に技術面中心に話していますが、ジョーがダブルクロスで倒れるのも2度目になると、「これは試合でなく残酷ショーだ」と感情を交えた発言をし始めます。
そして次のダウンで上の言葉「矢吹の眼はまだ燃えている」が出て、試合終了後にも印象的なコメントをすることになります。
その野性のくるおしいまでの敢闘精神がウルフの精密機械をたたきこわした…といえます
(中略)
いまや理論一点張りだったわたしも…不思議な感動に胸を打たれるのを否めません…
KCコミックあしたのジョー(7)P129~130 (c)高森朝雄・ちばてつや2012
矢吹丈というボクサーの魅力を解説者の発言内容の変化で表現しているのかな?と思います。