「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返っています。

アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。




エピソード

15R。

突進して襲い掛かるホセにジョーもなんとか応戦しますが、打ち合いの末、ジョーが倒れます。

最終ラウンドで、先にダウンしたのはジョーでした。

ホセは、立ち上がったジョーを仕留めようと左で突っ込んできます。

読者には分かります。チャンス!

ジョーの右腕がホセの左腕に交差し、ホセは立っていられません。

最後のクロスカウンターが出たのは、世界タイトルマッチの最終ラウンドでした。

続けてジョーは、トリプルクロスにも成功し、このラウンドで2度のダウンを奪います。

立ちはしたものの、ホセにはもう状勢を覆す力はなく、ジョーの攻勢が続く中、ゴングが鳴ります。

試合は終わりました。

該当箇所


コミック:20巻P236~254
アニメ2:第47話「青春はいま…燃えつきた」

コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。

原作とアニメの相違点

青山とウルフの声援が違う

原作では、ジョーがダウンしたときに青山が

ああ…っがんばれ矢吹さん!

KCコミックあしたのジョー(4)P217 (c)高森朝雄・ちばてつや2012

ウルフが

矢吹もっと接近しろーっ
カウンターはどうしたっ

お前の得意のカウンターを見せろーっ

KCコミックあしたのジョー(20)P245 (c)高森朝雄・ちばてつや2012

と、大声で叫びます。

原作にはウルフの借金話はなく、ジョーと直接の再会はないまま迎えた試合です。

原作のウルフが今日まで何をしていたのか不明ですが、この時、この瞬間が、ウルフの人生の再出発だったかも知れないなと思わせるひとコマです。

青山とウルフの声援は、おそらくどちらもジョーに聞こえたのだと思います。

原作のジョーは、この後こんにゃく戦法をとり始め、ウィニングショットを焦るホセにクロスカウンターを決めるのです。

続くトリプルクロスが、3段階目のクロスした箇所しか描かれず、「ホセがダブルクロスをやったということ?」という疑問が残るのは、どちらも一緒ですが…

この日のホセは、ジョーが燃え尽きるための燃料としてリングに立っているようなものなので、無意識に自分の役割を果たしたのでしょう、たぶん。

アニメでは、ダウンしたときの青山とウルフの声援はなく、クロスカウンター後にウルフが歓声を上げるところが出るだけです。

最終ラウンド開始前の段平

アニメの段平は、インターバルで「ここまで来たら最後のラウンドを思う存分やれ、がんばれ。あとたったの3分だ」と、泣きながらジョーを励まします。

思えば段平は、いつもこうでした。

プロでの力石との試合にはいい顔をせず、テンプルの打てないジョーにはボクシングをやめさせようとしました。

カーロスとの試合にも反対、減量では体重計をごまかしさえしました。

いつの間にか、ボクシングよりもジョー自身のほうが大切になり、結果臆病になった段平でしたが、いつでも、最後はジョーの思うようにやらせてくれました。

必ずしもジョーの一番の理解者ではないけれども、理解できなくても尊重する、本当に親のような愛情でジョーに接していたことが分かります。

ラウンド開始時のホセ

アニメのホセは、15R冒頭で「たとえ相手が幻影(ジョーを生身の人間とは思えずにいるので)であろうとも勝つ」と、王者として腹を決めています。

ホセの背後にもまた、幾多の敗残者があり、チャンピオンは彼らに応えなければならないと、アニメのホセならそんなことを考えるのかも知れません。

統一チャンピオン戦の夜、対戦相手だったカロルド・ゴメスの死を受けてうち沈んでいたホセなので。

こうした意識のためか、アニメのホセのほうが、原作よりも若干最終ラウンドで強さを残しています。

試合終了ゴング直後のホセ

原作のホセは、15R終盤にはロープに身体を預けてジョーの攻撃に耐えているだけの状態でした。

そして終了のゴングが鳴ると、グラっとマットに倒れます。

あと数秒あったら…と思う場面ですが、ゴングを聞いたからこそ倒れたのでしょう。

アニメでは、終わったときにはまだ自立しています。

コーナーの椅子にかけてから、ガクっと横に傾きますが、カバレロが抑えます。

ケンカ屋ジョー

日本の矢吹よくやりました!
最後の最後までがんばり抜きました
ケンカ屋ジョー!!

KCコミックあしたのジョー(20)P254 (c)高森朝雄・ちばてつや2012

と、実況が言うのは原作だけです。

普段実況の台詞の違いは取り上げていませんが、ここでの「ケンカ屋ジョー」というのが、すごくいいなと思うのです。

実況解説担当者や観客の大部分が知っているのは、プロデビューの頃からのジョーです。

リングの外でもたくさんの話題を作り、両手ブラリで連勝するジョーをちょっとキワモノ扱いした言葉でもあった「ケンカ屋ジョー」。

あれから色々なことがありました。

リングで吐き、ドサ周りまで
その後の後楽園球場でのカーロス戦、東洋チャンピオン…

いい時も良くない時も、勝った時も負けた時も、いつでも、粗野で素朴なケンカ屋ジョーでした。

今夜、ただ一心に強敵に向かって行ったジョーにかけれらる「ケンカ屋ジョー」という一言には、ずっと矢吹丈を見てきた大人たちの限りない愛情が含まれているように感じられます。

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