「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返っています。

アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。




エピソード

右目の見えないジョーですが、棄権する気がない以上突き進むほかありません。

気迫に任せたストレートが、ホセにヒットします。

突然パンチが当たり始めました。

紙一重でよけるホセのよけたところへパンチが飛びます。

片方の目が利かなくなったことで、ジョー自身の狙いと違うところへパンチがずれているのです。

ジョーにも何が起きたのかしばらく理解できない状態ですが、試合は俄然ジョーのペースです。

続くラウンドでもジョーの猛攻は、ホセを逃がさず、ホセは、リング生活初のダウンを喫します。

初ダウンか…

ジョーがこれまでに喫したダウンはと言いますと

少年院で14回(雨の非公式試合を含む)
プロでハリマオまでに31回、今日ここまでに2回

これまでに47回、ホセ戦終了までに52回。
プロだけで38回です。

参考:丹下段平は何度「立つんだジョー!」と言ったか 矢吹丈全52ダウンから検証

ジョーは、エリートボクサーではありません。

力石にもカーロスにも、とうとう勝つことは出来ませんでした。

ウルフをトリプルクロスで倒すために何度もダブルクロスを受けなければならず、三雑魚にも負けています。

東洋チャンピオンになったのは、ほぼ無抵抗で舞々を受けた後のことでした。

ダウンすることがカッコ悪いのではない。負けるのがカッコ悪いのでもない。なんならTVで嘔吐もOK。

かっこ悪いのは、ダウンしたまま寝たきりでいるのを自分に許してしまうことなのだと、「あしたのジョー」は、教えてくれます。

ジョーはなにも「見てくれる人たちに希望を与える試合をしたい」だとか、そんなことは、ぜーんぜん考えていません。

ただ魂の命ずるままに動いているだけ。

最高の人ですね。

ジョーにつかまったホセは、事態を打開できず、このラウンドで2回、次のラウンドでも2回ダウンします。

ジョーのパンチが、ナチュラルにコークスクリュー気味になっているのです。

明確には意識しないまま、ホセの高等テクニックを盗んだのでした。

実力では、ホセが大きく上回っていることは、読者の誰もが思い知らされているのですが、ボクシングにはKO勝ちなるものがあり…

もしかしたら…と思わせる局面です。

もしも、あとひとつクリーンヒットがあったら、もう少しゴングが遅かったら…

でも、「もしも」を起こさないのがホセの強さだったのでしょう。

優勢の流れの中で、ジョーは、ホセの両肩をつかみます。

ホセのやったことを今度はジョーがやるのです。

肩を掴まれた状態では、そう強いパンチは出せず、好きに打たせているように見えて実はダメージを受けないストラテジーなのだと、ジョーは見抜いていたのでした。

これをやることの効果は、打たれ強いと思い込ませること。

ホセって…

下らないメッキ塗りすぎて本来の強さが赤茶けて見えてしまいます。

奇をてらうことが、どんなにみっともないか、ホセ・メンドーサは教えてくれます。

さすがチャンピオン。勉強になるわ。

該当箇所


コミック:20巻P91~145
アニメ2:第45話「ホセ対ジョー…闘いのゴングが鳴った」~第46話「凄絶…果てしなき死闘」

コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。

原作とアニメの相違点

アニメのジョーは力石の幻を見ている

インターバルでジョーは力石の夢を見ます。

チャンピオンベルトを巻いた力石に向かっていく夢です。

夢の中の力石は、やがてカーロスになり、カーロスがホセになる頃、セコンドアウトのブザーが鳴り、ジョーはまたリングへ出て行きます。

この後ジョーの脳裏で、たびたびホセと力石が重なります。

原作には、そうしたことはありません。

両肩つかみを観客が知っているかどうか

原作でホセが肩に手を乗せて打たせたのは、ハワイのサム・イアウケアだけなので、今日の試合を観ている人は、ジョーがホセの肩をつかんだときにはきょとんとするだけです。

アニメでは、少し前のラウンドでホセがジョーに対してコレをやっているので、観客は、ジョーが逆をやっていると分かります。

でもこの作戦は…

やった相手にはトリックがバレますよね。

イアウケアも、このセコい策略に気付いたと思います。

イアウケアは、フェザーの選手だったこともあり、ホセとしては見抜かれても構わない相手でした。

そしてあの時ホセは、イアウケアにではなくジョーに自分の強さを見せていたのだと思うのです。

それをジョー本人にやっちゃったら仕込みが無効になるような気が…

今回はジョーではなく次なる挑戦者Xに見せていたということ、つまりもうジョーは敵ではないと判断したということなのか。

その後のインターバルでホセは、カバレロに「どの道ジョーは自滅するからフィニッシュなど決める必要はない」と話しています。

完全無欠のチャンピオンホセは、計算違いをしました。

カーロスの出現やジョーの片目トラブルなど、ホセを苦しめるきっかけになったのは思わぬアクシデントですが、このリングに賭ける熱量の違いが、少しずつ少しずつホセを狂わせていく、その過程はここから始まっていたのでしょう。

…と、頑張って解釈するとこんな感じに。

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