「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返っています。

アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。




エピソード

世界タイトル挑戦者が八ヶ岳から泪橋へ戻ったのは、試合の前夜でした。

ジムの屋上に佇んでいるジョーに気付いた段平が、「眠れないのか」と声をかけます。

ジョーは、子供の頃の話を始めます。

ずっと孤児院にいて、孤児院を嫌っていたジョーは、遠足の前の日にはいつも眠れなかったと。

遠足の楽しみは、脱走でした。

引率者の隙をうかがって逃げ出すと、たいていそこには山があり、その山を越えたら何かすごい場所へ行けると信じて、走る。

実際には、山を越えた先も同じような世界で、すごい場所にたどり着いたことなどありません。

でも、また次の遠足では、こことは違う場所を目指して走る。

それがジョーの遠足、ジョーの子供時代でした。

段平は、明日、ホセ・メンドーサという高い山を登る。それを越えたら「すごい所」へ出られると言います。

ジョーが「どんな?」と聞き返すと、段平は、チャンピオンの座だと答えます。

「それだけかい?」

明日ジョーが登る山はホセではありません。
チャンピオンベルトなど最初から歯牙にもかけていません。

吹雪の海岸で焼きおにぎりを頬張っていた少年の最後のトライアルまで、もうあと24時間もありません。

いいですよね。やっちゃっても。

やっちゃいなよ。

ジムでは、葉子からの電話が鳴っています。

取られることのない電話。

葉子は、試合当日の控室に賭けるほかありません。

該当箇所


コミック:該当エピソードなし
アニメ2:第44話「葉子…その愛」

コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。

原作とアニメの相違点

アニメにしかないエピソードです。

原作には、ジョーの子供時代の話は、まったく出てきません。

裁判所で語られる、「物心付いたときには両親ともに行方不明」「養護施設を脱走に次ぐ脱走」という言葉の他には、ジョーが心理テストで「説教が始まると寝ていた」と答えることと、特等少年院での白波五人男をアレンジした自己紹介くらいです。

人格とは、その人の過去の経験によって形成されるもので、現在がその人の過去を映し出しています。

「あしたのジョー」原作は、登場人物の過去をほとんど描かない作品ですが、それでいて、どの人物についても生い立ちが想像できます。

それが、「あしたのジョー」の大きな魅力であり、キャラクターが命と意思を持って作り手の中に生きていることを証明するものです。

これほどの傑作なのに、昔の出来事をあまり具体的に出されてしまうと興覚め…しません?

アニメ試合前夜の話は、全部不要な気が…

 

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