「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返っています。

アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。




エピソード

「ジョー矢吹ほど健康でイキのいいボクサーは稀である」とのDr.キニスキーの診断は、一転「重症」に変わりました。

アナタノ推測ドオリ
ジョー矢吹ハ明ラカニ
パンチ・ドランカーノ症状ヲ キタシテイル

KCコミックあしたのジョー(19)P217 (c)高森朝雄・ちばてつや2012

「明らかにパンチドランカー」「かなりの重症」

これが新しい診断結果です。

ジョーの所作に不安を感じる葉子は、ホセの主治医として来日したキニスキー博士に改めて見解を尋ねていました。

ホセ戦を控えてトレーニングに打ち込むジョーは、一見まったく正常に見えます。絶好調にすら見えます。

でも、ひとつひとつの動きにわずかな狂いが生じていると、ボクサーの健康管理の世界的権威は、そう言います。

ジョーの気力がパンチドランク症状を覆い隠していた。
燃え上がる炎の向こうで、ジョーは深く蝕まれていた。

これが真相です。

読者は、ジョー自身が症状を自覚しているであろうと想像がついていますが、葉子は、そう思っていません。

ジョーに事実を伝えてタイトルマッチを思いとどまらせる。

葉子も最後の戦いに挑みます。

該当箇所


コミック:19巻P136~140、P152~156
アニメ2:第42話「衝撃…葉子の予感」

コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。

原作とアニメの相違点

キニスキー博士のパンチドランカー診断資料と断定度が違う

原作では、葉子が、来日した博士を丹下ジムへ案内します。

取材陣に紛れてジョーを見たキニスキーは、誤診を認め、直接コミッショナーに話せば試合を中止できないかと考えますが、ジョーを診察した正式な診断書がありません。

葉子は、

私が矢吹丈を説得します

必ず世界タイトルマッチ挑戦をやめさせてみせます!!

KCコミックあしたのジョー(19)P156 (c)高森朝雄・ちばてつや2012

と、言いますが…

無理ですよね。

あの人に物事を諦めさせるのは、神にすら不可能なことで。

ジョーが他者の行為によってやろうとしていることをやめたのは、豚脱走くらいしか…

力石ってすごい。

力ずくで阻止された脱走にリトライせず少年院に留まったのは、力石を倒すことのほうが重要になったから。

ってことは…

ホセより重要な何かを提示すればいいということ?

でも

ジョーが、ホセと戦うことを捨てて選ぶ可能性のあるものと言ったら、もっと強い敵くらいしか…

結果は同じということか。

アニメでは、いつどういった形でキニスキーがジョーの状態を見たのかはっきりしません。

事前に葉子がハワイへビデオを送って判断を仰ぎ、その返答が、「ジョーは健康である」というものだったのは、原作と同じですが、来日後に何を持って診断を翻したのかは、よく分かりません。

空港へ博士を迎えに行った葉子が、「折り入ってお願いしたいことが」と話す場面があり、次にキニスキーが登場するとき、葉子の問い詰めに応じて「99%パンチドランカーの疑いがあります」と発言するのです。

キニスキーは、「診察をせずに確定診断は下せない」と念を押しています。

葉子が試合の録画を見せ、ハワイでの転倒や車の事故、蛇行する足跡、先日のカーロスのボタンの件などを話してのことと思われます。

この後に、キニスキーが試合のビデオを見ながら葉子にパンチドランカーの症状について説明するシーンがあります。

見ている試合は、ハリマオ戦、金戦、レオン戦。

ハリマオ戦とレオン戦は、ハワイから帰国した後の試合なので、葉子が新たな動画を提供して、診断のアップデートを依頼したということでしょう。

ところで

この時、葉子のあまりの必死さを不思議に思ったキニスキーが、「あなたにとってジョー矢吹とは?」と質問しています。

葉子が「何か」を答え、博士は、99%という診立てをカムアウトするのですが、葉子が答えているところは省かれています。

葉子は、なんと言ったのか。

家族以外の者の病状を聞き出したい場合、一番早いのは、「身内同然なんです。私達結婚の約束をしているんです」ですが…

これだと、ホセの主治医であるキニスキーは、「ヤブキの婚約者のジムがホセを預かってるの?え?え?」となってしまうような気がします。

葉子が自分の気持ちを打ち明けたとも考えられます。

そして、この場合、視聴者の「なんて言ったのだろう」という謎が、ホセ戦控室で解決する仕掛けとも見ることができますが、博士の脳内に上と同様のクエスチョンマークが発生することになり…

やっぱり、力石のことですかね。

かいつまんだ話を聞いてすぐに3人の微妙な関係と葉子の複雑な心理を理解できるものか、やや疑問ではありますが、他にないかなと。

そしてキニスキー博士は、できるだけ早くジョーを診察させてほしいと要請。葉子は、やってみると答えますが…

あの人にやりたくないことをやらせるのは神にすら…

ボクシングなどやる気もなかったジョーをボクサーにした力石ってすごい。

ってことは…

今すぐ世界のどこかからすごいボクサー(人類)を探してきて

「ドクターキニスキーの診察室に行けば、ホセよりも強い男に会えるわよ」

これなら…

こうしてジョーは、最強の敵とめぐり会い、命を懸けて戦う決意を固めたのでした。

同じじゃん!

もうどうにもならないのです。

葉子の愛しているジョーは、安全性や危険性という尺度を持たないジョーなのです。

パンチドランカーについてはこちらに↓

パンチドランカーについて-カーロス・リベラの脳に何が起きたのか

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