「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返っています。

アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。




エピソード

違う話と思って読めば面白い試合でした。

該当箇所


コミック:19巻はじめ ~19巻P111
アニメ2:第39話「ジャングルに…野獣が二匹」

コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。

原作とアニメの相違点

色々違うことは違いますが…

試合の経過と反則の有無それに対するジョーの対応が違う

アニメ:

ジョー優勢で進む中、ロープへ追い詰めたハリマオの目を見て、ジョーは後退。なにかを感じた様子。

ハリマオは覚醒し、高い飛翔から落下とともにパンチ。ロープに逃げるジョーを追って、宙返りしながらのアッパー。ここでジョーは、最初のダウンを取られます。

ハリマオは、ロープからロープへ飛び移るムササビ戦法を使い始め、ロープ to ロープの高速移動パンチ。

ジョーはこれを耐えていますが、ハリマオは、ロープから上方へジャンプして落下パンチ。

これでこのラウンド二度目のダウン。

続くラウンドでジョーは、再度宙返りアッパーを受けますが、今度はジョーが高く飛んで、宙返りで回転してくるハリマオを上から殴ってKO。

カウンターパンチのアレンジ。

アニメはこれで全部です。

原作:

ロープを飛び移るハリマオをリング中央でよけていたジョーが、タイミングを見計らってロープに身体をぶつけます。

ロープは大きく揺れて、飛び乗るハリマオはリング外へ。

会場は、ジョーが一気に試合を決めることを期待しますが、ハリマオの表情に不穏なものを感じ取ったジョーは後退してしばらくリング上を逃げまわります。

この時ジョーは、滑って転倒しています。

試合中のスリップは、他の試合でも時々ありましたが…変な転び方に見えます。

この後ハリマオの宙返りアッパー(作中では解説者が「後方ひねり回転ダブル・アッパー」と呼んでいる)を受けて、ジョーはダウンします。

原作では、このダブルアッパーなるものを2度食らっています。

もちろん2回ともダウンです。

それでもジョーの顔に薄笑いが浮かんでいるのに気付いた段平は、「あの笑いが消えない限り何かが起きる」(台詞要約)と言って、試合を続行します。

ハリマオが、また回り始めました。

ジョーは、くくっっと笑って飛び上がり、上からのストレートでハリマオをマットに叩き付けます。

空港でのジョーにムカムカしていたこの胸に限りないカタルシスが。

ハリマオは、すっかり怯えて試合にならない状態がしばらく続きますが、突然反則を始めます。

頭、肘、足と食らって倒れたジョーの顔の辺りに乗って飛び跳ねたりだとか…

ジョーは、KOで勝負をつけようと立ち上がりますが、またハリマオが飛び上がり、今度は両膝から顔面へ落下。

そのままジョーの肩にかみついて離れません。

レフェリーは、ハリマオの反則負けをコールしますが、ジョーはその勝ち名乗りを拒否して試合を続けます。

最後の攻撃でジョーは、何も変わったことはしません。

燃え上がる怒りを左右の拳に込め、ハリマオのすべてを封じるラッシュ。

強い。そして美しい。

強きことは美しきかな。

矢吹丈は、東洋チャンピオンの座を防衛しました。

…と、言うのが原作です。

アニメは短縮版というだけでなく、ハリマオの反則と、対するジョーが反則を返さず正攻法で勝ち切ったという重要なファクターが抜けています。

終盤反則せずに対応し、そして勝ったのは、野性と技術が融合し、ボクサー矢吹丈はここに完成形したという意味かと思うのですが…

もっともアニメでは、この回はそれどころではないというか、この後に起きることの方に重点が置かれているので、仕方ないところもあるのですが。

この後がね…

もう役目の終わっていることが明白な原作の段平

段平が…

ずいぶん前から、段平は、セコンドとしての仕事はしていないも同然でしたが、この試合では顕著です。

まず序盤、ジョーが優勢に試合を運ぶのを見て

ようしこのまんま一気にたたき込めば
1ラウンドで頂きだ

こんな楽な試合になるとは思わなんだぞ

KCコミックあしたのジョー(19)P30 (c)高森朝雄・ちばてつや2012

と、甘い見通しを立て、

「後方ひねり回転ダブル・アッパー」でフラフラのジョーに試合を続行させるとの判断も、「ジョーならなにかやる」という期待からで、それはジョーの才能への信頼ではあるものの、もはやセコンドとして策を授けようという意思すら見えません。

ハリマオがジョーに怯え始めると、もう試合に勝ったものと考え、油断しています。

コーナーへやって来たゴロマキ権藤とジョーの意見は違います。

奴は、最後には、なりふり構わずどんなことでもやるだろうと。

そうしゃしゃり出てくるタイプとは思えない権藤が、わざわざインターバルにコーナーに来るほど、ハリマオには危険な何かを予感させるものがあったのでしょう。

ふたりの予想通り、そのラウンドでハリマオは、ルールを忘れてかかってきました。

今更もういいですけどね。

全試合全ダウンをこちらにまとめてあります

丹下段平は何度「立つんだジョー!」と言ったか 矢吹丈全52ダウンから検証

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