「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返っています。

アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。




エピソード

ジョーのパンチ・ドランクを疑う段平は、ジョーをテストすることにします。

テスト内容は

  • ジム後輩連と本気スパー
  • 複数のボールをよける
  • 泪橋の欄干の上を歩く

ジョーは、なんなくこなしますが、段平の意図を見抜いてのことです。

意識を集中させていればできるという状態だったのだと、この時の段平には分かりません。

該当箇所

コミック:16巻P162~199
アニメ2:第40話「燃えろジョー…標的が近い」

コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。

原作とアニメの相違点

テストのタイミングが違う

原作では、金との試合の後にこのテストが行われます。

ハワイ遠征に行くのか行かないのか、テレビ関東に返答を迫られ、一度は断った段平が、思いなおしてやってみるテストです。

反射神経、平衡感覚。以前とまるで変わらぬジョーを段平はおおいに喜び、脳に異常はないものと確信します。

仕方ないですね。

もしもこの時段平が異常を見抜いていたら、ジョーは、他のジムに移籍してでもホセと戦ったでしょう。

ジョーはもう燃え尽きることしか望んでいません。

これで良かったのです…よね?たぶん。

アニメでもテスト内容と結果は、ほぼ同じですが、時期が違います。

アニメのほうが、他覚症状の発現が遅く、ハワイ前にはほどんどその徴候が見られません。

テストはずっと後のハリマオ戦後です。

いよいよ次はホセとのタイトルマッチとなり、テレビ関東大橋運動部長に矢吹サイドの都合を聞かれた段平が、テストに踏み切るのです。

読者と視聴者の予備知識が違う

まず、金戦までに、海の向こうでカーロスがパンチドランカーになっているという情報が入っているのは、どちらも同じです。

その後…

原作では、ジョーが倒れた後に段平の

わしの見たところ…やつは度重なる過労や
激戦で受けた無数のパンチに酔うて
いまやおかしくなりかかっとる…

わしの目にくるいがなければ
残念だがジョーはもうダメさ

KCコミックあしたのジョー(16)P169 (c)高森朝雄・ちばてつや2012

という台詞があり、

平衡感覚etc.のテスト→ハワイでジョーの運転ひどい→葉子がDr.キニスキーの話を聞く

となるので、テストの時には読者はパンチドランクの恐ろしさを実感してはいない、カーロスがボクシングできなくなったのと同じ?と思うくらいの状態です。

アニメで段平が同じテストをするのはハリマオ後なので、視聴者は先に、別人のようになったカーロス・リベラを見ています。

カーロスは相当重篤な症状まで進行した状態で、すべてのパンチドランカーが同じ経過をたどるわけではないはずですが、視聴者の持つサンプルはカーロス・ケースだけ。という状況下でテストを見ることになります。

また、アニメではテストと同時に、パンチドランクの世界的権威Dr.キニスキーが、「強い目的意識を持って邁進するボクサーには症状が現れにくいが、その緊張と興奮が水面下でますます身体を蝕む」という見解が明かされるので、見ている者は、ジョーが試験をクリアしたのには理由があると分かり、この時点でジョーの運命をはっきりと知らされます。

次の記事