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【あしたのジョー全出来事184】ジムの後輩は葉子をジョーの彼女と認識

2017年12月23日

「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返っています。

アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。

エピソード

ジョーは国技館控室に戻りますが、金の陰気にあてられてすっかり消沈しています。

ジョーには、精密機械のような金を攻め落とすイメージが持てないのです。

アニメでは控室ではっきりと「勝てる気がしない」と口に出しています。

下らない話を真面目に聞いてるあんたが悪いよジョー。

どうして力石やカーロスの過去のことを知らないのかよく考えてみなよ。
稲ちゃんがドサにいた理由知らないでしょ?

内容は関係ない。言うか言わないかの問題なんだよ。

糖質不足で脳のパフォーマンスが悪いジョーをよそに、セミファイナルは終り、金はもうリングに上がっています。

該当箇所

コミック:15巻P214~227
アニメ2:第24話「ゴングが鳴った…悪魔のリング」

コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。

原作とアニメの相違点

原作では葉子が控室に入ってくる

原作の控室にいるのは、段平とジムの後輩全員です。

矢吹丈に憧れて入門してきた練習生たちは、晴れのタイトルマッチに大はしゃぎしていて、いつになく弱気なジョーの様子に気付いているのは段平ひとりのようです。

この控室へ葉子が入ってきます。

着替えてるかも知れないのによくノックも無しに入ってくるなと思わないでもないですが、葉子は、いつもこんな感じです。

何しに来たん?

入ってきただけでなく座り込んでるよ、この人は。

後輩たちはヒソヒソと、葉子はジョーの彼女だと話しています。

いえ。正確には

葉子さんてのは先輩のコレなんだろ

KCコミックあしたのジョー(15)P222 (c)高森朝雄・ちばてつや2012

「コレ」は立てた小指のことです。

おっさんか、あんたらは。

…それより、なんでそう思う?

ジムに練習生が入ってきたのは、カーロス戦よりも後、ジョーが海外選手を次々にKOして、ランキングを駆け上がっていた頃です。

それから今日までの間にふたりが会ったのは、テレビ関東のパーティの時と金龍飛とライト級剣持の試合の時だけで、後輩は、ふたりが一緒にいるところを見たことはないはずです。
(原作の話です)

でも、こうして当たり前のように入ってきて、ジョーが不機嫌そうなのを意にも介さず一方的に話す葉子を見ていると、確かにそういう関係に感じられます。

なぜかこの日の葉子は饒舌で、ひとりでしゃべり続けています。

とうとう「いつもなら太ったお相撲さんの支度部屋なのに」とか、雑談に近いことまで…。

ジョーは我慢の限界とばかりに怒り出しますが、葉子は微笑んだままです。

これでは、もう4、5年付き合っていて「お互いの呼吸は心得ているからいいのよ」くらいの間柄に見える…。

後輩が入ってきた頃には、紀子がジムを訪れて食事の支度や洗濯をすることもなく、みんな紀子を知らないでしょう。

力石が白木ジムの所属でジョーのライバルだったことは分かっていると思いますが、力石と葉子の親密な様子を見たこともありません。

知っていることを試しに忘れて、あらためて眺めてみれば、ジョーと葉子は恋人同士にしか見えません。

お嬢様と不良。完璧だ…。

ジョーは、

うちへ帰ってくまのぬいぐるみでも抱っこしてたほうが
似合うと思うがな

KCコミックあしたのジョー(15)P225 (c)高森朝雄・ちばてつや2012

と、言い出します。

ジョー…そんな女は頭の病気だよ。

ええ…そうするつもりよ

KCコミックあしたのジョー(15)P226 (c)高森朝雄・ちばてつや2012

すんのかい!

葉子は、今日の試合は見る気がしないと言って出て行ってしまいます。

葉子はなぜ控室に来て、なぜ上滑りな調子でペラペラしゃべり、そして帰ったのか。

葉子の心情は、分かりません。
作者がこの時の葉子について話しているのを聞いたこともありません。

でも、

シビアな減量をして強敵と戦うボクサーを見るのが怖かったのかな?と思います。

怖くて試合は見たくないけれども、どんな様子か確かめずにはいられず、不吉な考えが湧いてこないようにしゃべり続けていたのかも。

帰ると言われて、それまで名調子で怒っていたジョーは、黙ってしまいます。

人に去られることに過敏なのですよね、ジョーは。

葉子は、黙れと言っても黙らず、帰れと言っても帰らず、理由は分からないけれどもいつでもまとわりついていてくれる人のはずなのに…。

葉子の出て行ったドアを見つめるジョーの顔。

ジョーのあの表情は、「勝てる気がしない」いつもと違う試合であることを葉子も感じているのに気付いてのことだったのだろうと思いますが…

この顔見たら、後輩はますますふたりがつき合ってると確信するわ。

この後、「葉子さんが大人で先輩を操縦してるんだよな」みたいな話をしてたと思う絶対。

アニメでこの日のジョーについているのは段平と西で、ジムの後輩はまだ存在もせず、葉子とは通路ですれ違うだけです。

葉子は、花束を持ってジョーの控室のほうへ歩いてくるところでしたが、どうしてこの人はいつも花もって通路を歩いているの?

結局この日、葉子が帰らずに試合を見ているのは、どちらも同じです。