「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返っています。

アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。




エピソード

葉子は間に合いました。

戻った会場は12ラウンドの終盤、戦況は変わらず、ジョーはロープ際でホセの攻勢に耐えています。

葉子が向かうのは、座っていた席ではありません。まっすぐにリングの方へ進んで行きます。

インターバルを迎えたコーナーでは、段平が、次のラウンドで少しでもよろけたらタオルを投げるとジョーに言い聞かせています。

怒鳴る力も残っていないのでしょう。
ジョーは、段平の手からタオルを奪い取ると、リングの下へ放り投げてしまいました。

そのタオルは、葉子の足元へ落ち、段平は「お嬢さんタオルを」と頼みます。

葉子はかがんでそのタオルを拾いますが、段平には渡しません。

TKOを意味するタオルは、美しい手からハラリと落ち、段平は唖然として床のタオルを見ていますが、葉子はもうタオルには見向きもしません。

リングへ駆け寄った葉子は、ジョーに言います。

あなたが…
あの世界一強い男とどこまで立派に戦い抜くか
このリングの下から最後までしっかりと
見届けさせてもらうわ!

KCコミックあしたのジョー(20)P215 (c)高森朝雄・ちばてつや2012

葉子が白木ジムの会長になり、カーロス・リベラを連れてきたのは、ジョーに本来の自分を取り戻させるためでした。

段平が、もうジョーはダメだとジムを解散したとき、葉子だけが、ジョーを信じていました。

今、最後まで自分らしくやれと言えるのもまた、葉子しかいません。

葉子は、ジョーの体の中で何が起きているのか知っています。
いつかと同じ痛みをもう一度体験しなければならないかも知れないことも分かっているでしょう。

それでも、今日この時、ジョーの背中を押すのが、葉子の使命だったのだろうと思います。

ジョーは何も答えず、ただ驚いた顔で葉子を見ています。

東洋タイトルマッチでは、タオルを投げろと段平に詰め寄った葉子なのに、今はあの時よりも危険な状態であると承知で、最後までがんばれと言っています。

それこそが、ジョーが一番聞きたかった言葉でしょう。

「燃え尽きるまでやれ」

そこらの人を相手に言える言葉ではありません。

鋼鉄の強さを心に秘めていると信じる相手でなければ絶対に言えない言葉です。最上級の褒め言葉です。

試合は、あと3ラウンドです。

該当箇所


コミック:20巻P204~215
アニメ2:第47話「青春はいま…燃えつきた」

コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。

原作とアニメの相違点

大きな違いはありません。

ただ、ジョーが葉子のほうを見るタイミングが違います。

アニメでは、タオルを葉子が拾うときには顔をややそちらサイドに向けているだけで葉子を見てはいませんが、原作では、はっきりと葉子の方を向いています。

葉子を見ていると言うより、葉子のやることを見ていると言ったほうがいいでしょうか。

ジョーは、試合に出ないでくれと懇願する葉子を控室に置いて来ています。

いよいよ危なくなったところでリングへ近寄って来た葉子が、段平にすべてをぶちまけてもおかしくない…と、この時にはまだそう考えていて、だからタオルを手にした葉子をじっと見ていたのかなと。

葉子の行動は、あまりに意外なことだったでしょう。

 

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