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【あしたのジョー全出来事250】好きなのよ矢吹くんあなたが

2018年1月23日

「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返っています。

アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。

エピソード

説明不要。おわり。

じゃダメかな?ここをわざわざ言葉で書くのも野暮ったいというかさ…

一応やるか。

ジョーは、葉子が来ると分かっていました。

武道館控室で、「ひとりにしてくれ」と段平たちに退出を促し、窓を閉めた時、葉子が入ってきます。

葉子の話すことも分かっています。

葉子の告げる事実にジョーの返答は「だからどうした」

葉子には、ジョーの決断が信じられず、リングに上がれば廃人として一生を送ることになるのにと念を押し、タイトルマッチの違約金はすべて負担すると申し出ますが、ジョーは聞く耳を持ちません。

この期に及んでまだ、財力でジョーを動かせると思っているようにも見えますが、違約金の問題は、確実に発生することでもあり、今日までずっとノーゲームにする方法を考え続けた葉子なればこそ出た言葉でしょう。

すべて覚悟の上でホセに挑むと言う男に、これ以上何を言ったらいいのか。

部屋を出て行こうとするジョーを呼び止める葉子の頬に涙が流れます。

葉子が泣いているのに気付いたジョーは、驚いた顔をします。

なぜ驚くの?
まだ分からないの?

ジョーに特別な感情を持っていなかったとしても、何らかの事情で病状を知ってしまったら、それは伝えようとすると思うよ。人の務めとして。

でもその場合…

選手本人に教えるのが困難な状況なら、ジムの会長に伝えて後のことはお任せ、こっちの責任は終了。

だと思うけど。

段平宛てに親展で文書を送れば済んだはずなのに、葉子がそれをしなかったのは、納得できずにタイトルマッチが取りやめになった時のジョーの心情を考えたから。

本当に分からないのかな。

ジョーは、泣いている葉子を置いて控室を出ようとします。

葉子は、走ってドアの前に立ち、そして言うのです。

好きなのよ矢吹くん
あなたが!!

KCコミックあしたのジョー(19)P212 (c)高森朝雄・ちばてつや2012

白木財閥の令嬢、何千万の金を一存で動かす東洋一のジムの女会長。

その地位が身につけたくもない鎧になり、真意を理解されることのなかった葉子が今、すべての理由を告白しました。

すべての理由を。

ジョーは、何かを考えています。葉子の謎、解けた?

その時、葉子の背後でドアを叩く音がします。

「時間だ」とジョーを呼ぶ段平でした。

リングには世界一の男ホセ・メンドーサが
おれを待っているんだ

だから…
行かなくっちゃ

KCコミックあしたのジョー(19)P217 (c)高森朝雄・ちばてつや2012

「ありがとう」の言葉を残して、ジョーはリングへ向かいます。

残された葉子は、呆然としたまま泣いています。

どうにもならないのです。

ここで試合を諦めるジョーは、葉子の愛しているジョーではありません。

葉子こそ、本当はこうなると知っていたはず。

どうにもならないのです。

…思いのほか、暑苦しく語ってしまった…

にしても

「世界一の男が待っているから行かなくっちゃ」

ってことは、あれか。

葉子は、ジョーを説得するんじゃなくて、ホセを帰らせれば良かったのか。

こっちの控室じゃなくて、ホセの控室に行って、耳元で

「ガスの元栓閉めて来ました?」
「お風呂場の窓開けっぱなしじゃありません?」

と、やれば、

「やべぇオレちょっとメキシコ帰るわ」

ホセが帰ったと聞いて怒ったジョーは飛行機に飛び乗り、メキシコへホセを追ったのでした。

結果は同じか。

該当箇所


コミック:19巻P198~20巻P9
アニメ2:第44話「葉子…その愛」

コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。

原作とアニメの相違点

起きることは同じですが、原作のジョーは、もっと色々しゃべっています。いらんことを。

特に葉子の告白後が…

「とんだ衝撃の告白」だとか

ジョー以外全員気付いてるわ

「そのネタを女性週刊誌に売ってみろ」だとか

読んだ人は「あらお似合いね」としか感じないと思うが…

「女がそんなせりふを軽々しく」だとか

あんたが鈍すぎるから言うしかなかったんだろー!

「実に安っぽく見える」だとか

どこをどう見たら安っぽいのか分かるように説明してくれたまえ

飛び蹴りぶち込んでやりたいわ。

でも、原作のジョーはこの時、長椅子に座り込んで話しているのですよね。

むしろ話す気はある姿勢と言うか…

そして考え込みます。

この時、葉子のしてきたことの理由は、これだったのかと思っていたならいいなと思います。

ジョーが、人生の最初に親からされたことは、自分を捨てることでした。

潜在的に、愛情なんてものはアテにもならないと考えていて、だから葉子の言葉も安っぽく聞こえたのかもしれません。

でも、愛とは実在するもので、ジョーのために自身のすべてを捧げる人がいたことを知ってほしいのです。燃え尽きる前に。