「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返っています。

アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。




エピソード

ジョーは、ジムの外で鉢合わせた紀子と玉姫公園に行きます。

公園で紀子は、もうボクシングをやめたら?と言いますが、ジョーは、自分との対戦で血を流した者がいるのに、疲れただのやめたいだのと贅沢は言えないと答えます。

相手の流した血に対して、止まってしまった心臓に対して
ある負い目が残るのも確かだ。
(中略)
人を殺した奴は死刑になるって掟が世間にあるように
(中略)
いまさら中途半端な形で疲れただの拳闘をやめたいだのって
ぜいたくはいえねえような気がするんだよ

KCコミックあしたのジョー(14)P96 (c)高森朝雄・ちばてつや2012

やっぱりこう考えていたのかと、読者の胸の痛む場面です。

それは考えすぎだ、スポーツなのに負い目だの死刑だのという感覚がすでにおかしいと、紀子は必死で反論するのですが、ジョーは、聞き入れるふうもなく歩き出してしまいます。

行くあてもなく歩いているようですが、紀子が後ろからついて行くので、なんとなくデートっぽくなります。

ほとんど話をしている様子もないデートの終りに、紀子がとうとう切り出します。

矢吹くんは、寂しくないの?

と。

同じ年頃の青年が青春を謳歌しているのに、毎日ボクシングばかりでは、みじめで悲惨で暗すぎると言うのです。

ジョーの考えは違います。

ボクシングが好きだからやっているのだと。

リングの上では、燃えているような充実感を味わえると。

あの名台詞、ジョー自身の運命を予言するあの言葉はここで出ます。

ほんの瞬間にせよ
まぶしいほど真っ赤に燃え上がるんだ

そして
後には真っ白な灰だけが残る

燃えかすなんか残りやしない

真っ白な灰だけだ…

KCコミックあしたのジョー(14)P103 (c)高森朝雄・ちばてつや2012

ジョーは、ある種の罪悪感からリングを降りることは許されないと思っていて、同時にリングで燃えることを生きがいと感じています。

使命と願望が、ある意味一致しています。

「燃え尽きる」

どうしても、ひとつの結末が頭に浮かんでしまいます。

聡明なジョーが、それに気付いていなかったとは思えません。たぶん分かっていたでしょう。

紀子は、「わたしついていけそうにない」と言って帰って行きます。

ジョーと平凡な世界とを結ぶ橋が消えました。

該当箇所

コミック:14巻P.88~105
アニメ2:第14話「どこにある…ジョーの青春」

コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。

原作とアニメの相違点

大体同じです。

デートコースがちょっと違うか。

丹下ジムに差し入れに来た紀ちゃんが、雨がやんでいるのに気付かず傘を差していたのも同じですが、なぜわざわざここで雨がやんだのか…。

 

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